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「ひなたぼっこ」


 企画 NPO法人 ちばMDエコネット
 製作 記録社
 監督 桐野直子
 2000年/カラー/16mm/91分
 私たち、今、楽しく生きてます。


 知的障害の若者たちが普通高校で送る
 高校生活をドキュメンタリーに撮った
 映画です。


出演者プロフィール
hinata2-1 ●山田晶生 20歳
高校生活最後の一年間、晶生くんは音楽部の一員としてドラムを叩いてきた。心もとないリズムに、顧問の先生から何度も怒鳴られる。が、飄々と受け流し練習を続ける。音楽部の仲間たちは、そんな彼に不安を抱きながらも一方で「頑張り屋」だと一目置く。そして、いざ本番・・・。胸を張ってステージに立つ仲間ひとりひとりが、演奏の要となってひとつの音楽を作り上げていく。
hinata2-2 ●山本江美子 19歳
1浪の末に入学した女子高生活も最終学年を迎えた秋。江美ちゃんのいる3年1組は、文化祭の準備に追われていた。出し物は大型紙芝居。急がないと間に合わないかもしれないというのに、江美ちゃんは教室をウロウロ、廊下をウロウロ、踊ったりなんかもしている。「江美ちゃん」と声がかかると、ゆっくり絵筆をとってみるが、あえなく失敗。笑い転げる級友たち。3年1組、みんなに穏やかな笑顔が広がる。一人として切羽詰まっていない。
hinata2-3 ●中邨 淳 21歳
夜の校庭でサッカーに興じる高校生たち。定時制高校の短い放課後をいとおしむようにボールを追いかける。淳くんも転がってきたボールを手で受け止め、ゆっくりとパス。みんなと一緒に走っているような歩いているような・・・。終始ご機嫌な笑顔に、仲間たちにも笑みがこぼれる。彼は、入学以来一度も学校をやすんだことがない。幼馴染のガールフレンドが見立ててくれたかばんに教科書を詰めて、きょうもみんなと一緒の教室へ向かう。
hinata2-4 ●立石 歩 17歳
授業中は、よく寝ている。あきらめ顔で見過ごす先生もいれば、「立石、起きろ!」と一喝する教師もいる。しかたなく教科書を開いたかと思えば、再び、寝る。しかし、一転して「やる気」を見せることもある。ゴールめがけて何度もバスケットボールを投げる。家庭科の実習時間には、黙々と裁断を続ける。そんな彼を、焦らず温かく見守る教師たち。彼が学校をサボったという話を聞いたことはない。学校には、不思議な魅力がある。
hinata2-5 ●石塚由幸 15歳
この春、由幸くんは高校生になる予定だった。しかし、その願いは叶わなかった。幼稚園も小・中学校も、地域のみんなと過ごしてきた彼にとって、高校もまた、一緒に進めるはずの道だった。確かに、スポーツも勉強もみんなと同じようにはできない。けれど、いつもとびきりの笑顔で周囲の人々を包み込んでしまう、明るくやさしい15歳。「高校生になったら、やりたいことがいっぱいあるんだ!」と、浪人中の今も話している。


 知的障害をもつ若者たちが、障害をもたない人たちと共に生きるありのままの姿を見ていただきたいと、山田晴子(ちばMDエコネット代表)さんから、ドキュメンタリー番組を作られていた桐野さんに映画製作依頼が来たという。
 桐野さんは、番組制作会社社員の時よりドキュメンタリー番組一筋で、同和問題、在日韓国人、中国残留孤児、差別されたアジアの人たちと、ドキュメント作品を撮り続けてきた。本映画は、設立された記録社の第一回作品でもあり、桐野さんも映画としての第一回目の監督作品である。

 彼等と初めて出会った日、何せ話が通じない。大いに戸惑ったそうだが、疲れたり、嫌になったことはないという。明るい子供たちに引っ張られ、その親御さんの愛情にいつも元気をもらってきたそうです。
 出来ないことがあってもいいじゃないか。障害者と健常者の間に壁はなく、育って来た環境に関係なく、理屈抜きにのびやかに学校生活を送っている子供たちを見てもらって、そこから、あなたは何を考えるか、どう感じるか、どうしなければいけないか・・・考えるきっかけを与えられればいいなと思う、と桐野さんは言う。

 人それぞれ生きていくリズムがある。
 考え方も、生活環境も、サイクルもみな違う。生物みな同じものはない。でも調和の中で生きている。
 考える時間、余裕のない現代社会、道からはずれる者、弱い者は切り捨てられる。
 弱い者が淘汰されるのが動物の世界である。でも優しさも相手の気持ちも自覚し、想像し、理解出来るのが人間だ。助け合い理解し合えるはずだ。

 桐野さんに、これからの作品は、と聞くと、
  *この子供たちがこれからどうなっていくのか、長い記録になりそうだ
  *10代の女子に興味を持っている
 会って話してみると、すごくキズつきやすく、いろいろ苦しんでいるのがよく判る。
 外見は違うんですけど、と笑いながら話してくれた。乞うご期待。



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